路面性状解析システム
本システムは、CCTVカメラの映像を用いて画像解析を行い、路面の状態を自動解析するものです。冬季における積雪、乾燥、湿潤状態の判別に採用されました。専用のセンサ機器等を用いることなく、映像のみで精度の高い性状判別が可能です。また積雪が発生し、一定時間消滅することなく継続した場合、または積雪が解消したタイミングなどで、希望者に電子メールを発報する機能を備えております。
これにより、従来の天気予報では不可能であった、路面状況のリアルタイム配信が可能になります。
過去数年間、多数の地点での長時間の観測により、学習データを蓄積してきました。そのため逆光時や、ある程度のカメラレンズの汚れなど、厳しい状況においても正しい判別をすることが可能になりました。
特徴
- 1~複数チャンネルのCCTV画像を同時にキャプチャします。(キャプチャデバイスとしては、DFG/MC4/PCIEを使用することを想定しています。DirectShow対応のキャプチャデバイスの適用も可能です)
- 約1秒ごとに映像をキャプチャ。数分間の映像収集の後、複数画像を処理することでノイズ除去などを行い、精度の高い映像を生成します。
- 移動体除去機能を備えており、車両などの移動体を除去しつつ解析処理を行います。
- 渋滞などにより、路面が見えなくなった場合も移動体を認識しているため、可視範囲のみの解析を実行します。
- 様々な特徴量をもとに統計的手段を用いて、映像中の指定範囲をメッシュ分割し、各メッシュ内の性状を判定します。
- 誤検知を回避するため、路面全体画像~メッシュ内画像の判定を、複合的に実施します。
- 各地点の学習データを蓄積した結果、逆光やカメラレンズの汚れなど、厳しい環境下においても高い確率で誤検知を回避します。
- 積雪など、警報を出すべき状況が一定時間継続した場合、関係者および希望者に電子メールを発報します。
- 解析結果は専用WEBサイトで閲覧可能です。(ホスティングサービスを用いることで、サイトの外部公開も可能です)
- 無人環境で運用のため、電源管理システムや、Androidスマートフォンによるハードウェア監視サービスを提供します。
※DGF/MC4/PCIEは、The Imaging Source社の製品です。
システム構成例
キャプチャプログラムと解析プログラムを個別に提供しています。キャプチャ用ハードウェアを複数台用意し、5Ch以上の多チャンネルの画像処理ができます。
光ファイバによるインターネット通信が不可能な地域では、選択肢がADSL等の回線に限られる場合があります。回線が不安定になる場合の対策として、複数の回線を用意することにより、通信不可能な状況を極力回避できます。
非常時には、キャプチャPCや解析PCなどの電源そのものをインターネット経由でON/OFFし、システムの強制リブートを行うことも可能です。
移動体判別
連続する映像から動きのある物体を識別します。動きの少ない部分が解析対象です。この場合は路面が解析対象です。しかし長時間の移動体の滞留が発生した場合、解析対象が見えなくなることがあります。 解析対象から移動体の存在する箇所を外すことで、路面性状識別の際の誤検知を回避します。事例
交通量が多く、信号に停止車両が多数並ぶ道路です。 画面右側の路線は交通量が多く、路面の見える機会がほとんど無かったため、この例の計測タイミングでは解析対象から外れました。 車両の通過した場所は積雪はすぐに解け、湿潤状態になります。一方で道路中央付近のように、あまりタイヤに踏まれない部分は、積雪あるいはシャーベット状態となり、長時間滞留し続けました。 |
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橋梁における観測結果の一つです。 轍の部分の積雪は溶け、湿潤状態、あるいはシャーベット状態になります。 この画像の計測時は降雪中でしたが、画像の平均化や、移動体除去機能のおかげで解析画像には映りこんでいないのが分かります。 車両も走っているのですが、信号や渋滞は発生しておらず、完全に除去されており、路面全体が解析可能でした。 |
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夜間の計測結果の一つです。 明るさが著しく低下し、解析は難しくなりがちですが、学習データを大量に用意しているため、本システムでは対応可能です。 夜間においても、積雪やシャーベットと、それ以外の部分の認識にほぼ成功しています。 |
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